とが関係機関、省庁の発表、報告によって明らかにされた。Table
1,2,3は公表資料の分析によって作成された船舶の利用実績である。1)宿泊・入浴用として、代替交通手段および代替輸送機関としての利活用がなされたことがわかる。この他にも、直接の救難活動での活躍が期待されるところであったが、実績として挙げられる例は極く僅かであった。
Table 1 Results of ship participation in accommodation and bathing when
HanshinAwaji earthquake broke out
場所 |
会社 |
船名 |
期間 |
備考 |
津名港 |
常石造船 |
サウンズ オブ ・セト |
1/20〜1/31 |
宿泊500名 入浴5000名 |
尼崎港 |
新日本海フェリー |
フェリー・すずらん |
1/31〜2/28 |
宿泊70名 |
弁天埠頭 |
関西汽船 |
くるしま7 |
2/5〜3/31 |
宿泊最高230名/日 |
東神戸フェリー埠頭 |
関西汽船 加藤汽船
日本海運
四国フェリー |
こんぴら2 りつりん2
六甲丸、生駒丸
神戸丸、神高丸 |
1/24〜2/2 |
各船交替で入浴サービス200〜400名/日 |
神戸港第一突堤 |
自衛隊 |
みうら、おじか |
1/23〜 |
テント張り 野外温泉 |
深江岸壁 |
公団 |
シンフォニー |
2/3〜 |
入浴300名/日 |
Table 2 Results of ship participation in the service of land traffic
substitution
運行区間 |
会社 |
船名 |
期間 |
高浜岸壁〜天保山 |
アーバン・クルーザー 共同汽船
徳島高速船
大阪水上バス |
シルフィード アクアジェット
ぶるーすたー
サンタマリア |
1/20〜3/18 1/20〜3/31
1/20〜3/31
1/21〜2/25 |
六甲アイランド〜弁天埠頭 |
神戸ヨット 紀州造船 |
コンテッサ はやかぜ |
1/28〜2/12 2/13〜2/28 |
K-CAT〜天保山 |
海上アクセス |
クリスタルウイング |
1/24〜4/21 |
メリケン〜姫路 |
家島汽船 |
いえしま |
1/21〜1/30 |
メリケン〜明石 |
淡路フェリーボート 明石海峡フェリー
播淡連絡汽船 |
くぃーんろっこう ろいやるくぃーん
こすもす |
1/22〜1/30 1/22〜1/31
1/26〜1/31 |
姫路〜メリケン〜天保山 |
境ヶ浜マリンアンドクルーズ |
サウンド・オブ・パシフィック |
1/23〜2/25 |
メリケン〜高松 |
加藤汽船 |
グレイス |
1/23〜2/28 |
メリケン〜西宮 |
徳島高速船 |
マリンシャトル |
1/24〜3/31 |
メリケン〜岩屋 |
西淡路ライン |
富貴3 |
1/26〜2/5 |
六甲アイランド〜関西国際空港 |
関西カーゴ・アクセス |
関西エクスプレス |
1/22〜 |
神戸港内(神戸〜人工島) |
早駒運輸 神戸観光汽船 |
ロマン1他 ゆうかり |
1/19〜 1/29〜 |
Table 3 Results of ship participation in the service of land transport
substitution
航路変更 |
会社 |
便数 |
神戸〜新門司→泉大津〜新門司 |
阪九フェリー |
2便 |
神戸〜徳島→大阪南港〜徳島 |
共正汽船他 |
5便 |
神戸〜足摺→大阪南港〜足摺 |
室戸汽船 |
1便 |
神戸〜今冶→大阪南港〜今冶 |
愛媛阪神フェリー 三宝海運 |
2便 |
神戸〜日向→大阪南港〜日向 |
マリンエキスプレス |
1便 |
神戸〜大分→大阪南港〜大分 |
ダイヤモンドフェリー |
2便 |
神戸〜新居浜→大阪南港〜新居浜 |
関西中央フェリーボート |
2便 |
2.2 海上支援の問題点
本来、船舶は航空機や自動車、列車と異なり、大きさ、移動速度を初めとして、移動空間の選択性、自己完結性等、多様な機能を有している。従って、沿岸域における災害発生時にはこれらの多様な機能を活用することが可能であると考えて良い。しかし、阪神・淡路大震災時に、船舶の持つ機能が必ずしも活用されなかったと言わねばならない。Table
4は、阪神・淡路大震災時の船舶の活用実績の総括表である。2)表より、船舶の大きな輸送力が支援のための要員、物資、資材の搬送のため、および被災者の交通機関として用いられたが、災害発生直後の緊急避難、救急医療、消火活動等の直接救難活動には利用されていないことがわかる。また、船舶の大きな輸送力も港湾や港湾へのアクセス道路の壊滅のために十分に活用できなかったことが指摘されている。さらに、避難場所、被災者の一時的宿泊施設としての活用も、必ずしも納得できるものではなかったと言えよう。
Table 4 Ships’potential for disaster relief
救援活動の種類 |
主な活用対象船舶 |
活動実績 |
救援患者搬送 |
高速船艇 |
× |
医療活動 |
病院船 |
× |
消火活動 |
消防艇 |
△ |
避難宿泊施設 |
フェリー・客船 |
○ |
生活支援施設 |
フェリー・客船 |
○ |
海上支援拠点 |
フェリー・客船 |
○ |
要員資材輸送 |
フェリー |
○ |
救助物資輸送 |
貨物船、給水船等 |
○ |
臨時旅客輸送 |
旅客船 |
○ |
船舶による海上支援を試みたにも拘わらず、必ずしも全面的な成功とは言えない理由を挙げるならば、直接的
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